ヴァレンシュタイン宮殿(Valdštejnský palác)は、プラハ初の巨大なバロック様式の建物で、1634年にこの世を去ったアルブレヒト·フォン·ヴァレンシュタインにより建築されました。ヴァレンシュタインは軍の指揮官として、30年戦争でプロテスタント軍と戦い多くの勝利を収め、たちまち皇帝フェルディナンド2世にとって不可欠の存在となりました。しかし、ヴァレンシュタインには授与されたタイトル以上の力量があり、その眼力はボヘミアの王冠ほどの価値がありました。皇帝からの承諾なしに敵と交渉を行い、その野心のために殺害されたのです。
ヴァレンシュタイン宮殿は、プラハ城に対抗する建築物を創り上げることを目的に1624年に着工され、1630年に完成しました。この新しい試みを実現するには広大な土地が必要となり、23軒の家と3ヶ所の庭園、街の煉瓦窯が購入されました。宮殿の見所のひとつはメインホールで、天井には戦車に乗ったヴァレンシュタイン自身が、マルスとして描かれています。
今日、この宮殿は政治的に重要な建物で、チェコ上院に利用されています。庭園には数多くの魅力があり、像を見渡せる広大な土地や壮大な噴水は、ヴァレンシュタインの時代のまま今も残されています。しかし、像は1648年にスウェーデン人に盗まれ、現在あるのはレプリカです。庭園内には展示室もあり、アルゴナウタイからゴールデン・フリーズに至るまでの名場面が描かれた壮大なフレスコ画が展示されています。ヴァレンシュタインがゴールデン・フリーズの指揮官で、騎士の最高指導者だったことにちなみ、この題材が選ばれました。
庭園の向こう端には、中央に像がそびえ立つ観賞用の池があります。また、古い乗馬学校もあり、現在はナショナル・ギャラリーからの美術作品が展示されています。詳しい情報についてはウェブサイトwww.senat.cz をご覧ください。
所在地:Valdstejnske nam. 4 開館:土日 午前10:00~午後4:30(4月~10月は午後5時まで営業)